なぜ監督もユニフォームを着ているのか?


横浜DeNAベイスターズ/ラミレス監督(中央)
監督でも選手と同じユニフォーム。


野球のユニフォームって、最近色々なデザインが増えてきてますね。
サッカーや、バスケットの監督はスーツやジャージなどでビシッと決めてますが、
野球の監督は必ずユニフォームを着ています。
それにもちゃんと理由があるんですよ。


海外サッカークラブの監督。
練習こそはジャージですが、
試合の際は、ビシッとスーツで決めます。

選手権監督がほとんどだった。

今から150年ほど前、野球というスポーツがアメリカで誕生した時、
監督は専門職ではなく、チームの選手の一人が担う役割の場合が多くあったようです。
チームキャプテンと監督が統合したような立場だったようで、
当然監督も打席に立つ必要もあれば守備に就く必要もあったわけです。
当然ユニフォームを着ていなければプレイはできませんから監督だけスーツを着るという訳にはいきません。
その伝統が今も息づいているというのが有力な説の一つです。
皆さんがご存知の様に、近年でも選手が監督を兼務するというケースはありますよね。
阪神やヤクルト、楽天などでも監督として活躍した野村監督も、
その昔監督と選手兼任していた時代がありましたし、
その愛弟子の東京ヤクルトスワローズの古田敦也さんも監督を兼任されている時代がありました。
最近では中日ドラゴンズの谷繁元信さんも選手と監督を兼務されています。

いわゆる「代打、俺。」のケースです。一度でいいからこのセリフを言ってみたいものです。
しかし選手としての自分の能力を客観視しながら、
場面に応じて的確に起用するなんて本当に可能なんでしょうかね?
やっぱりちょっとは贔屓目にならないもんなんですかね?

フィールド、グラウンドに入る権利!

サッカーではフィールドに監督が入ることは禁止されています。
ライン際まで監督が近寄ってくることはありますが、決してラインをまたぐことは許されません。

一方野球ではベンチから監督が走ってきて審判に抗議することもありますし、
場合によってはピッチャーにアドバイスするためにマウンドに上がることも許されています。
フィールドは神聖な場所という考え方もあり、
ユニフォーム姿以外では立ち入るべき場所ではないと考えられているのでしょう。
その昔、サッカーの試合で名古屋グランパスのストイコビッチ監督が、
ベンチの前に飛んできたボールを蹴り返し、ボールをゴールの中に叩き込んだことがありました。
非常に鮮やかなロングシュートでしたが、もちろん得点にはならず、
それどころか退場処分になってしまい、試合後にインタビューで彼は「悪気はなかったんだ。
でも最高に良いシュートだっただろう?」と語り伝説になりました。
その時、彼はもちろんスーツを着ていました。